コーヒー豆は地域によって味わいが違ってくる。本日はこの生産地別のコーヒー豆の特徴と魅力についてご案内。本日はコロンビア編!コロンビアは、ブラジル、ベトナムに次いで生産量が多い国です。日本では特にジョージアの缶コーヒー『エメマン』の愛称で親しまれているエメラルドマウンテンと呼ばれるコーヒー豆が有名です。
国名:コロンビア共和国 首都:ボゴタ 面積:約114万㎢ 人口:約4770万人
コロンビアのコーヒー栽培地と味わいの特徴

コロンビアの生産者はマイクロロットと呼ばれる小規模農家が多いのですが、その産地は主に3つの産地に分かれます。コロンビアコーヒーはアンデス山脈に沿った南北に広がり標高差が大きいので年間を通してコーヒー豆が収穫できます。
コロンビアのコーヒー農園の小規模農園は、機械化が進んでいなく主な工程を手作業で行っています。
コロンビアコーヒー栽培品種
栽培品種 | カトゥーラ種、バリエダコロンビア種、ティピカ種、ブルボン種 |
精製方法 | ウォッシュド |
全てアラビカ種ですが、バリエダコロンビア種はアラビカ種とロブスタ種の交配によって生まれたもので、病気に強く収穫量も多くなりますが、品質はアラビカ種の純木より劣ります。
こちらのバリエダコロンビア種は2007年に生み出された新しい品種です。元々コロンビアではティピカ種をメインに扱っていたようですが、その原因は南米全体に及んだサビ病の蔓延でした。これによりコロンビアでは国を挙げてバリエダコロンビア種を転換していきました。それによりコロンビアから”コロンビア・マイルド”は失われたと言われています。
●北部地方
マグダレナ、カサナレ、サンタンデール、ノルテ・デ・サンタンデール
この地域は低めの標高と高い気温の土地で栽培しています。日照時間が長いのですが、高低差で段階分けし日差しからコーヒー豆を守っています。
味わいの特徴:柔らかな酸味、中〜高ボディ、ナッツのようなコクと、チョコレート香があります。
●中部地方
カルダス、キンディオ、リサラルダ、ノルテ・デ・ヴァジェ、アンティオキア、クンディナマルカ、ノルテ・デ・トリマ
この地域は雨季と乾季が散在して起こる気候により、年間を通じて新鮮なコーヒーの収穫が可能です。収穫は9月から12月の1期、4月から6月のミタカと呼ばれる2期に行われています。
味わいの特徴:フルーティでハーブのようなバランスの良い香りで安定感に優れています。
●南部地方
ナリーニョ、カウカ、ウイラ、スール・デ・トリマ
標高が1800m〜2300mもあり赤道に近いこの地域では、3つの地方で最も標高が高く、気温が低い土地で栽培されます。ゆっくり成熟していくコーヒー豆は特別な味わいになります。
味わいの特徴:ミディアムボディに柑橘系で甘い香りがあり、まろやかな酸味があります。
コロンビアコーヒーの歴史

コロンビアという名称は探検家であるコロンブスの名前に由来し、この南米の北端に位置するコロンビアでコーヒー豆が生まれたのは1730年〜32年頃まで遡るとされています。
東部のタバへと呼ばれる地域にあるキリスト教修道院に植えられたコーヒーの木が起源とされ、その後コロンビア国内にあるキリスト教関連の施設に広まったとのことです。その後1835年に初めて輸出が行われるようになりました。
このキリスト教とコーヒーの関係は1600年頃、トルコから悪魔の飲み物として伝わったコーヒーを時のローマ教皇であるクレメンス8世がその美味しさに魅せられキリスト教会公認の飲み物にしたとのこと。偉大なコーヒーに万歳!
FNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)とは
コロンビアのコーヒー生産者は小規模コロンビアでは1927年にコーヒー生産者56万人による代表組織 ” Federación Nacional de Cafeteros de Colombia“『FNC』が設立されました。
この『FNC』はコーヒー関連NGOでありコーヒー輸出団体でもあります。この取り組みが出来たことでコロンビアコーヒーは世界第3位のコーヒー生産国となりました。その取り組みはコーヒー生産者と共に高品質でサスティナブルな生産方法、生産者がより良い生活ができるよう尽力しています。そのスローガンは『The Richest Coffee in the World』(世界一リッチなコーヒー)とされています。
コロンビアコーヒーの格付け

コロンビアコーヒーは全てアラビカ種の豆で、この等級はスクリーンと呼ばれるフルイの網目の大きさで決まります。尚こちらの格付けはコロンビア国内の統一規格となります。ここから『FNC』によって産地、国際認証の有無などにより付加価値のあるコーヒーを認定しています。
エクセルソ って何?
『エクセルソ』 はコロンビアコーヒーの選別における規格格付け用語で私が思うには、エクセルソ スプレモなら、『スクリーンサイズは17のコーヒー豆だよ!』って意味になると思います。尚、コロンビアではスクリーンサイズ16以上の物とピーベリー(カラコル)だけをスペシャルティコーヒーに分類しています。
UGQ、ヨーロッパは一般的に最も多く輸出されている等級の豆で、スクリーン13以下の小さな豆は、国内消費などに用いられます。
等級、格付け | スクリーンサイズ | 許容範囲 |
---|---|---|
エクセルソ プレミアム | 18(約7mm) | スクリーン14-18 最大5% |
エクセルソ スプレモ | 17(約6,75mm) | スクリーン14-17 最大5% |
エクセルソ マラゴジッペ | 17(約6,75mm) | スクリーン14-17 最大5% |
エクセルソ エクストラ | 16(約6,35mm) | スクリーン14-16 最大5% |
エクセルソ カラコル | 12(約4,76mm) | 平豆最大 10% |
エクセルソ ヨーロッパ | 15(約5,95mm) | スクリーン12-15 最大2.5%/ 5% / 10% の 3カテゴリー |
エクセルソ UGQ | 15 全体の50%以上 残りは14 | スクリーン12-14 最大5% |
規定のスクリーンサイズが100%含まれるのではなく、90%~95%が規定サイズなら許容している。
マラゴジッペは品種名で、ブラジルのマラゴジッペ地域で発見されたティピカ種の突然変異種です。一般的なコーヒーノキと比べると樹高が高く、コーヒー豆のサイズは一般的なコーヒー豆の2倍もあり、少量しかコーヒー豆を採取できないために希少価値がとても高い品種でもあります。コロンビアでは北部のサンタンデール地区ににて生産しています。
コロンビアといえばエメラルドマウンテン

コロンビアコーヒーのお得意様である日本向けに開発された『コロンビアコーヒーの顔』コロンビアコーヒー全生産量の中でも、 厳選されたわずか1%未満※の高級豆。※コロンビアのコーヒー生産量と、そのときに収穫された豆の状態によって、この数値は1%から3%まで変化します。
それが『エメラルドマウンテン』です。
コロンビアでのコーヒー輸出先第2位は、日本なのでうなずけますね。日本の消費者は、他のマーケットと比較しても特に、味や香りに対し繊細であるとされています。そこで1971年、FNCが日本向けにコーヒーのプロファイル(認定規格)を特別に開発。コロンビアの13か所の鑑定所でのみ、エメラルドマウンテンの認定が行われています。
そして最終的に熟練し、選ばれたFNC本部のコーヒーQグレーダーの鑑定士のみが、エメラルドマウンテン豆を選別・認定しています。
まとめ
本日はコロンビアコーヒーについてご案内となりました。コロンビアコーヒーで感じたことは、現在コロンビアコーヒーは技術の革新に伴い安定的に供給されています。それは大変すばらしいことなのですが、サビ病により変わってしまったかつてのコロンビア・マイルドを味わってみたかったとも思います。コロンビアコーヒーを飲む時は、ティピカ100%のコロンビアコーヒーを夢みて飲もうかな?
あと、個人的に教会とコーヒーの関連が面白く別でご紹介もしたいなと…。
では。
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